NPO法人ともに生きる街ふくおかの会: 6月 2016

2016年6月21日火曜日

とも生きふくおか活動の軌跡(2)

 多文化共生の街ふくおかを目指す「ともに生きる街ふくおかの会(とも生きふくおか)」は今年2016年5月、法人格を取得し、NPO法人としての新しい活動の段階に入りました。
 当初のボランティア学習会としてのとも生きの発足から、今回の法人としての活動の開始までの15年間の活動を、何回かに振り返ります。
 今回はその第2回です。

(3)例会の開催と事業の発案まで(2002年2月~2003年4月)
 とも生きの活動の基本は、福岡市に在住する多文化の子どもとその家族の支援、学校関係者への情報提供、そして会員の学習会、情報交換会です。最初の年(年度)は、ネットワークを広げながら、まず、会員が福岡市の多文化共生を目指して、それぞれが持っている情報交換、さらにはそこから多文化住民、子どもの支援を行うということでした。
 その中から、「日本語を母語としない中学生の進路ガイダンス」(第1回2003年8月)、「香椎浜小学校親子日本語教室よるとも会」の発想と立ち上げが行われました。どちらの会も、会員として参加した関係者が、福岡の多文化状況の中から拾い上げてきた課題を、その解決を志向する中で実現してきたものです。それぞれの活動については回を改めるとして、例会を始めた頃の当初の情報交換、学習会の概要に触れておきたいと思います。

 とも生きは当初から、多文化住民、子どもたちにかかわる個人の活動について情報交換を行うために発足したので、当初は各地の日本語教室や支援者の紹介(自己紹介)を通して、福岡の街の状況を確認しようとするものでした(第2回~第5回)。その後、外国人住民にとって、福岡の街はどのような街なのか、他者の目で見た福岡を学ぶ会が続きました。留学生の目に見える福岡、大学が見えてきたように思います(各会のテーマは文末に記載しました)。

 勉強会を通して、実際に福岡に住む大人や大学で学ぶ留学生には、比較的支援が届きやすいようであるのに比べて、「子ども(児童生徒)」にとっての支援が必ずしもできていないのではないか、福岡での多文化家族の子育ての課題や必要な支援はどのようなものだろうか、という点に関心が向けられるようになりました。
 この間、香椎浜で活動するお母さんたちの声(PTA活動からみた地域での子どもと大人の交流の課題)がとも生きに届けられたのが2002年の夏でした。夏の香椎浜小学校でのPTA学習会に現理事長が出向いたのをきっかけに、9月以降、学校での日本語教室の設立が多くの参加者、支援者の手で準備されていきます。これについては次のブログに譲りたいと思います。

 第1回 福岡日本語学習シンポジウム(九大国際ホール、20010929)
 第2回 情報交換会(ココロンセンター、20020119)
 第3回 北九州市の日本語教室の状況、アジアに生きる会の紹介(レインボープラザ、20020309)
 第4回 福岡市内の日本語教室の状況(ココロンセンター、20020511)
 第5回 太宰府ことだまの会の活動報告(ココロンセンター、20020713)
 第6回 外国人居住者の抱える問題と福岡市の対応(ココロンセンター、20010901)
 第7回 韓国の留学生が見た日本の学校(九大国際研究交流プラザ、20021109)
 第8回 イランの留学生が見た日本の学校(九大国際研究交流プラザ、20030111)
 第9回 外国人生徒の受験について(九大国際研究交流プラザ、20030309)

2016年6月12日日曜日

とも生きふくおか活動の軌跡(1)

 多文化共生の街ふくおかを目指す「ともに生きる街ふくおかの会(とも生きふくおか)」は今年2016年5月、法人格を取得し、NPO法人としての新しい活動の段階に入りました。
 当初のボランティア学習会としてのとも生きの発足から、今回の法人としての活動の開始までの15年間の活動を、何回かに分けて振り返ります。
 今回はその第1回です。

(1)とも生き前史-福岡市地域日本語推進事業(1998年4月~2001年3月)
1998年、福岡市役所国際企画課は文化庁委託事業「福岡市地域日本語教育推進事業」をうけ、市内在住の外国人住民への日本語支援に関する調査研究を始め、プロジェクトチームを発足させました。福大の田尻さん、日本語センターの川邊さん、九日連の進さん、和田さんなどそうそうたるメンバーでスタートした研究会は、2年目に「子どもの日本語」に関する事項を調査内容に加える事を決断し、とも生きメンバーの吉谷さんが急遽追加メンバーとして参加しました。全国的に見て、当時は未だ、子どもの日本語への着目は、少なくとも文化庁の事業としては意識化されていない時期だったと思われます。当時の委員長田尻さん(後に龍谷大学に転任)の英断ともいえるもので、とも生きのメンバーはこの大人の日本語と子どもの日本語のジョイントの中で出会い、勉強会を始めることになりました。
(※各位の所属は当時のもの)

(2)シンポジウムからとも生き設立へ(2001年4月~2002年1月)
 文化庁委託事業の報告は2002年3月の報告書作成で一段落し、会そのものは解散することになりました。ただし、会参加者の中には、3年続いた研究会を継続させ、日本語推進事業を民間ベースで考え続けたいという希望がありました。そこで発案されたのは、報告書をもとに福岡市の日本語の課題を考えるための「福岡日本語学習シンポジウム」(2001年9月29日)でした。そこでは3年間の調査から見えた、福岡の多文化状況、日本語学習の必要性、今後の方向性などが話し合われ、「日本語指導に関する情報交換会」を定期的に開催することが合意されました。
 この会はその後、隔月で開催され、日本語学習だけでなく広く福岡における多文化住民との共生のためには何が必要なのかが話し合われました。そして定期的な学習会をある程度組織化し、多文化共生の課題を継続的に考えていく会として「ともに生きる街ふくおかの会(とも生きふくおか)」が発足しました。2002年5月、ボランティア学習会、「とも生きふくおか」の正式な発足です。(続く)

8月28日に就学・進路相談会を開催します!

8月28日(日)に福岡YWCAで就学・進路相談会を開催します。高校への進学だけではなく、学校に関する相談全般に対応しますので、相談してみたいと思うことがある方は是非ご参加下さい。

日時:2016年8月28日(日)13:00~16:00
場所:福岡YWCA 福岡市中央区舞鶴2-8-15
費用:当事者は無料、その他の方は資料代として500円のカンパをよろしくお願いいたします。

多言語での案内を作成したら、またアップします。

2016年6月2日木曜日

7月17日にNPO設立記念シンポジウムを開催します!


NPO設立を記念し、(公財)福岡県国際交流センターの共催で、下記の通り、設立記念シンポジウムを開催します。ご関心をお持ちの方は、是非ご参加下さい。

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特定非営利活動法人「ともに生きる街ふくおかの会」設立記念シンポジウム

     福岡の多文化共生社会はどのようにして可能か
―多文化の子ども、住民との交流、「ともいき(共生)」を求めて―
 
 2001年1月以来15年にわたって活動を続けてきた「ともに生きる街ふくおかの会(とも生きふくおか)」が本年5月、特定非営利活動法人となりました。さまざまなルーツを持つ人々が集まる街、福岡。そんな福岡での「多文化共生(ともいき)」について、地域に暮らす子ども、大人、支援者などの立場からの声を聞き、一緒に考えてみませんか。

〇日 時: 2016年7月17日(日) 13時30分から16時30分(受付13時から)
〇場  所: アクロス福岡 3階 こくさいひろば 福岡市中央区天神1丁目1番1号
〇参加費: 無料(下記の申込先からの事前登録が必要です。)



<プログラム>
(1) 開会


(2) 記念講演(13:30~14:10)
多文化共生都市ふくおかを目指して
~多文化の現状と「とも生きふくおか」の歩み、そしてこれから~ 講演者:吉谷武志さん

(3) パネルトーク~みんなで語ろうとも生きの街ふくおか~(14:20~15:50)
 多文化地域に生きるために~暮らす、学ぶ、育てる、楽しむ~
①地域でともに暮らす、②地域でともに学ぶ、③暮らし学びを支える立場から
☆こうした取り組みを続けてきた福岡市東区香椎浜、城浜地域の方々をお招きします。

(4) 提 言:多文化の街福岡に思う-福岡の今後と「ともいき」-(15:50~16:20)
   提言者:川邊理恵さん、佐藤倫子さん、徳留直美さん

(5) 閉会(16:30)

<講演者・登壇者プロフィール>
吉谷武志さん:

 とも生き理事長、東京学芸大学国際教育センター、福岡で外国人児童生徒教育と研究に取り組んできた。日本語教室よるとも会の立ち上げにも参加。
川邊理恵さん:
 福岡女子大学、30年以上、福岡で留学生の日本語教育に携わり、九州日本語教育連絡協議会の活動や日本語ボランティア養成、地域の日本語教室にも関わる。
佐藤倫子さん:
 Edu(エデュ)代表、福岡教育大学非常勤講師、アメリカ、中国の中学・高校で日本語教師をした後、大学非常勤講師としてボランティア育成に取り組む。
徳留直美さん:
 公益財団法人福岡YWCAのスタッフ。日本語教師養成講座の企画や多文化の子どもたちへの日本語や学校の学習の支援に携わってきた。

〇申し込み先:「こくちーず」の下記のリンク先より申し込みください。
NPO法人「ともに生きる街ふくおかの会」設立記念シンポジウム
http://kokucheese.com/event/index/402053/



〇問い合わせ先:
NPO法人 ともに生きる街ふくおかの会
E-mail:tomoikifukuoka●gmail.com (●をアットマークに変えて下さい)


主催:ともに生きる街ふくおかの会、共催:(公財)福岡県国際交流センター