NPO法人ともに生きる街ふくおかの会: 4月 2019

2019年4月22日月曜日

セミナーのお知らせ

 インターアジアの中村さんより、下記の通り、セミナーのご案内をいただきました。
 要申し込みですので、案内をご確認の上、参加ご希望の方はお申し込みください。

(画像をクリックするとPDFをダウンロードできます)

~外国人介護人材受入に向けて~
日時:2019年5月26日(日)13:30~16:30
場所:電気ビル共創館(3階)
   福岡市中央区渡辺通2-1-82
参加費:3,000円
参加申し込み〆切:2019年4月30日
セミナー内容:
 開会挨拶 株式会社インターアジア社長 中村政弘
 第一部 基調講演 
  入管法改正と介護労働者について 福岡県行政書士会国際渉外部長 古城良
 第二部 講演
  介護職場における外国人との共生について考える 株式会社インターアジア社長 中村政弘
 第三部 外国人介護福祉士によるパネルディスカッション
  パネラー:則松フィデラ、張楊、森田ヴェロニカ 
  コーディネーター:中村政弘

※セミナーの参加については、PDFファイルをダウンロードし、必要事項を記入の上、記載されている申込先にFAXでお申し込みください。

2019年4月21日日曜日

本の紹介(2019.04その3:単行本)

 立て続けのアップです…
 大型連休のお供に、手にとってみてもよいかと思います。

安田浩一(2019)『団地と移民―課題最先端「空間」の闘い』角川書店

 安田浩一さんの外国人労働者や差別を扱った本は、とてもわかりやすくまとめられています(例えば、『学校では教えてくれない差別と排除の話』皓星社、2017年など)。『団地と移民』もそうで、読み進めながら、ともいきで関わりのある地域を念頭に「そうそう、その通り」と思うことばにたくさん出会います。
 少しご紹介します。

「本当の問題は、日本人も中国人も、互いの存在に無関心であることではないのか」(86頁)
「人種間というよりは、世代間のギャップなんですよ。高齢者ばかりの日本人と、働き盛りの中国人では、どうしたって交流の機会が少なくなる。接触がなければ相互理解だって進まない」(87頁)
「違いを理解したうえで、普通に付き合えばよいだけなんですよね。同じ地域でともに生きているのだという共通点こそ重要なのではないでしょうか。」(98頁)

 安田さんがインタビューした団地の人々のことばは、本当にその通りだなと思います。こうしたことを「当たり前」と思うことの感覚を研ぎ澄ませたいです。



内藤正典(2019)『外国人労働者・移民・難民ってだれのこと?』集英社

 4月1日のブログでもご紹介した内藤正典先生の本です。
 「外国人労働者」、「移民」、「難民」の違いをとてもわかりやすく説明されています。今の日本の状況を「60年前のドイツ」と表していますが、私もまったく同じ印象を持っています。
 ムスリム系の移民が増えることで日本でも起こりうることを、教育現場との関わりで言及されている箇所がありますが、福岡はもうすでに生じていて、ある意味柔軟に対応しているなと思いました。
 最後の「第8章 外国人と仲良くなろう」では、共生の難しさや同化主義も多文化主義も共生の唯一の正解にはならないとの指摘もあります。
 個人的には、同化主義でも多文化主義でもなく、ヨーロッパで実践を支える異文化間主義という考え方が、どのように日本で生かされるかを考えてみたいと思います。


 
 5月以降、なかなか本の紹介ブログが書けないと思いますので、みなさまからもお勧めの本があれば、是非ご紹介ください!

2019年4月20日土曜日

本の紹介(2019.04その2:新書)

 4月1日にアップした本の紹介でも書きましたが、外国人関係の本がたくさん出版されています。
 ブログの記事として「本の紹介その2」をする予定はなかったのですが、忘れてしまいそうなので、最近読んだ本をアップします。

望月優大(2019)『ふたつの日本―「移民国家」の建前と現実―』講談社現代新書

 この間の入管法改正の背景となる労働力不足を日本がどのように補おうとしているのか、技能実習、特定技能の在留資格をわかりやすく述べています。在留外国人の数に加え、「帰化者」や国際児、オーバーステイの人までカウントすると、約400万人超という数字を提示しています。この状況から「移民政策を取らない」と言い続けることができるのか?現実を捉える重要性を提起しています。また、「統合」について議論されないことの問題性も指摘されています。
 多様性を受け入れるならば、受け入れる社会もそのあり方を変えていかざるをえないということを真摯に受け止め、「ともに生きる」ことを考えていく必要があると強く感じます。



浅川晃広(2019)『知っておきたい入管法―増える外国人と共生できるか―』平凡社新書

 外国人がどういった滞在資格で日本に滞在しているのか、数ある滞在資格をわかりやすく解説しています。これまでのともいきの勉強会や相談であがってくる滞在資格のこともあり、そうだったな、と復習しながら読みました。
 ともいきに行政書士の方がいらっしゃるのは、強みだなとつくづく思います。



出井康博(2019)『移民クライシス―偽装留学生、奴隷労働の最前線―』角川新書

 この本はまだ読み進めている途中ですが、丹念な取材を基に書かれており、どんどん読めます。新聞奨学生については大学でも話題になったりしますが、留学生を対象とした新聞奨学金もあり、その実態はかなり厳しいものです。また日本語学校の問題(これは1月のシンポで田尻先生も簡単に触れていらっしゃったかと思います)なども描かれます。
 個人的には、(これまで読み終わった範囲では)『新移民時代』をなぜ西日本新聞が世に出せたか、というところが「なるほど」と思わされました。


2019年4月19日金曜日

外国人児童生徒受入れの手引きが改訂されました

 久しぶりのアップです。
 2011年に文部科学省は『外国人児童生徒受入れの手引き』を作成しました。
 その後、2014年に特別の教育課程の導入、2016年には教育機会確保法の成立、2017年には外国人児童生徒を担当する教員の確保のために教員定数に関わる義務標準法等の改正などが行われてきました。また、2017年に改訂された新学習指導要領では、日本語指導の必要な児童生徒に対する指導も示されています。
 また、2018年末に発表された「外国人材の受入れ・共生のための総合的対策」の「外国人児童生徒の教育等の充実」のなかで、『手引き』の改訂が挙げられていました。
 先日、改訂版の手引きが文部科学省のHPにアップされましたので、ここで共有しておきたいと思います。
 文部科学省HP「外国人児童生徒受入れの手引き」

 学校の先生方はもちろんですが、外国につながる子どもの教育支援に携わっている私たちが読んでも勉強になります。

2019年4月2日火曜日

5月の例会および総会のご案内

 4月に入り、桜🌸も咲き誇っていますが、少し肌寒い日々が続いていますね。
 みなさま、いかがお過ごしですか。

 5月の例会および総会のご案内です。
 5月の例会は、ネットワークづくりに重点を置いたものに取り組んでみようと思います。
 佐藤倫子さんにファシリテーターをお願いし、お互いの活動やこれからやりたいことなど、語り合ってみたいと思います。

<5月の例会>
日時:2019年5月18日(土)15:00~17:00(開始時間にご注意ください)
場所:福岡大学文系センター棟14階学部共通室
内容:最近、なにをしていますか?~お互いの取り組みを知り、ネットワークを作ろう~
ファシリテーター:佐藤倫子さん(福岡教育大学/西南学院大学非常勤講師、(一社)ママトコラボ理事)
*何かご自分の活動紹介ができるものがあれば、参考にお持ちください(一部で結構です)。
*資料準備のため、ご参加いただける方は事務局までご連絡いただけますと幸いです。
*お車でお越しの場合は、事前の入構手続きが必要です。
5月13日(月)までに、車種とナンバーを事務局までお知らせください


◎会員のみなさまへ!!!
<2018年度総会>
 例会の前に総会を行いますので、年会費を納入し、会員となっている方は奮ってご参加ください。
日時:2019年5月18日(土)14:00~15:00
場所:福岡大学文系センター棟14階学部共通室(例会会場と同じです。)
※2018年度年会費をお支払い済みの方は、5月15日(水)までに必ず出欠のご連絡をお願いします(総会成立に関わります)。
内容:2018年度事業報告、決算報告、2019年度事業予定、予算案ほか

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 今回の例会はネットワークづくりですので、普段は例会に参加されたことのない方も、まったく初めての方もどうぞお気軽にご参加ください。
 当日みなさまにお目にかかれるのを楽しみにしております♪

2019年4月1日月曜日

本の紹介(2019.04)

 とうとう4月になりました。
 新しいスタートを切っていらっしゃる方も、たくさんいらっしゃると思います。
 そして、とうとう改正入管法が施行されました。ワンストップセンターもどうなっていくのか、なかなか見えてこないところも多々ありますが、地域の実情に応じたセンターができればと思います。

 このところ、外国人関係は書籍がものすごい勢いで出版されています。集めてはいるものの、まだまだ全部は読めていませんので、つい最近読み終えた本の紹介です。

内藤正典・中田考(2019)『イスラムが効く!』ミシマ社
 イスラム地域研究の内藤先生とイスラム法学者の中田先生の対談形式で、さまざまなテーマを扱っています。これがものすごく読みやすく、またおもしろいです!
 「イン・シャー・アッラー」ということば、ムスリムの方とおつきあいがあると耳にしたことがあると思います。「アッラーが望みたもうならば」と頭では分かっていますが、深い理解になると、どちらかというと日本人(非ムスリム)の人がしている理解を自分もしがちだな、と反省させられました。
 個人的には、「イン・シャー・アッラー」の説明がある第1章「イスラムが人生に効く」、第3章「男女のことを「イスラム」で見ると」、第8章「イスラムから世界平和を考える」がとても興味深かったです。


 
 あわせて、こちらの本↓も是非!

内藤正典(2016)『となりのイスラム―世界の3人に1人がイスラム教徒になる時代』ミシマ社
 ともいきブログで紹介しようと思っていましたが、しそびれていたので…。
 非常にわかりやすく、イスラムについて説明がなされています。なかでも、第4章「となりのイスラム教徒と共に」と第6章「日本人が気になる12の疑問」などは、「確かに疑問だな~」と思うことに、わかりやすく答えてくれています。
 これを機に是非!


 内容とはまったく関係がありませんが、この2冊を出しているミシマ社の装丁があたたかくて、個人的に好きです。(本当に個人的ですみません…💦💦)
 『イスラムが効く!』のカバーのイラストは、本当にご本人を彷彿させるものです。