NPO法人ともに生きる街ふくおかの会: 2020

2020年12月31日木曜日

日本の高校を卒業し就労する外国籍者の在留資格について

 続けてのアップになります。
 理事の古城さんより、「家族滞在」の在留資格で、日本の高校で学び、卒業後就職を希望する外国人生徒の在留資格要件に関する情報をいただきました。この間、高校卒業後の進路について、在留資格要件に関わる動きがありましたが、今回は一定の要件を満たす場合には、「定住者」または「特定活動」への変更が認められることがある、とのことです。
 詳しくは、以下のリンク先をご覧下さい。
 (日本語、やさしい日本語、英語版、中国語版、韓国語版、ポルトガル語版、ベトナム語版、タガログ語版が掲載されています。)

出入国管理庁HP
「家族滞在」の在留資格をもって在留し,本邦で高等学校卒業後に本邦での就労を希望する方へ


1月の例会のご案内(オンライン例会)

 ここ数か月、まったくブログの更新ができずに2020年最後の日となりました。
 年明け1月の例会のご案内です。
 1月の例会では、香椎浜公民館主事の宮嵜祐子さんをお招きします。
 これまで香椎浜公民館とともいきは協働で「多文化共生のまちづくり講座」に取り組んできました。
 コロナ禍で公民館に求められたこと、地域の様子、活動の様子など、お伺いします。

<1月の例会>
日時:2021年1月23日(土)14:00~16:00
ツール:Zoomでの開催になります。
 ※技術的なサポートはいたしかねますので、ご了承ください。
テーマ:コロナ禍における香椎浜地域の状況―多文化共生のまちづくりへの課題―
話題提供者 宮嵜祐子さん(香椎浜公民館主事)
申込:要申し込み。
 1月17日(日)までに参加ご希望の方は事務局までご連絡ください。
 お申し込みいただいた方のみに、例会の前日までにメールでZoomミーティング情報をお知らせします。
申込・問い合わせ先:NPO法人ともに生きる街ふくおかの会 事務局メール
          tomoikifukuoka●gmail.com(●をアットマークに変えてお送り下さい。)

 今年はコロナ禍で例年のような活動はできず、オンラインでの例会開催のみとなりました。
 来年は様子を見つつ、少しでもできることが増えるといいなと思っております。
 寒さの厳しい年末年始となりますが、みなさまどうぞ暖かくして良いお年をお迎え下さい。

2020年11月1日日曜日

11月の例会のご案内(オンライン例会)

10月はまったくブログをアップできませんでしたが、みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
久しぶりのブログのアップ、11月例会のご案内です!
今回は特にテーマを設定せずに、参加者の情報交換をメインに行います。
自分たちの活動の近況報告をしたり、他のグループの活動状況や工夫について知ったり、これからのことを考えたり、お茶を片手にオンラインお茶会のように気楽な話をしたり、そんな時間にしたいと思います。
お時間のある方は是非ご参加下さい!

<11月の例会>
日時:2020年11月21日(土)14:00~16:00
ツール:Zoomでの開催になります。
 ※技術的なサポートはいたしかねますので、ご了承ください。

今回は「オンラインおしゃべり会」とし、情報交換をメインに行います。
コロナ禍でみなさんが感じていること、考えていること、withコロナで取り組んでいること、postコロナを見越してやりたいこと、などなど、ざっくばらんにお話しできればと思います。

申込:要申し込み。
 11月15日(日)までに参加ご希望の方は事務局までご連絡ください。
 お申し込みいただいた方のみに、例会の前日までにメールでZoomミーティング情報をお知らせします。
申込・問い合わせ先:NPO法人ともに生きる街ふくおかの会 事務局メール
          tomoikifukuokag●mail.com (●をアットマークに変えてお送り下さい。)


2020年9月28日月曜日

外国人材受入れ・共生のための総合的対応策(令和2年度改訂)

 なかなかブログをアップできずに、ご無沙汰しております。

 昨日の例会にご参加いただいたみなさま、ありがとうございます。コロナ禍での在住外国人の様子を在留資格という点から捉えることができました。

 さて、改正入管法と関わり発表・改訂されている「外国人材受入れ・共生のための総合的対応策」ですが、今年の7月にも改訂されています。昨今の状況を反映させたものとなっているようです。ご一読ください。

法務省
外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策(令和2年度改訂)の概要(PDF)
外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策(令和2年度改訂)(本文)(PDF)

2020年9月6日日曜日

9月例会のご案内(オンライン例会)

 大型台風が接近していますね。甚大な被害が出ないことを願うばかりです。

 さて、9月例会のご案内です。
 9月の例会では、新型コロナウイルスの拡大が、在住外国人(特に長期滞在者)にどのような影響をもたらしているのか、本会理事であり、特定行政書士の村上由里さんに話題提供していただきます。

<9月の例会>
日時:2020年9月26日(土)14:00~16:00
ツール:Zoomでの開催になります。
 ※技術的なサポートはいたしかねますので、ご了承ください。
テーマ:コロナ禍における長期滞在者の動向(仮)
話題提供者 村上由里さん(NPO法人ともに生きる街ふくおかの会 理事、特定行政書士)申込:要申し込み。
 9月19日(日)までに参加ご希望の方は事務局までご連絡ください。
 お申し込みいただいた方のみに、例会の前日までにメールでZoomミーティング情報をお知らせします。
申込・問い合わせ先:NPO法人ともに生きる街ふくおかの会 事務局メール
         tomoikifukuoka●gmail.com(●をアットマークに変えて下さい。)


2020年8月14日金曜日

日本学術会議の提言「外国人の子どもの教育を受ける権利と修学の保障―公立高校の「入口」から「出口」まで」

  毎日厳しい暑さが続きますが、いかがお過ごしでしょうか。

 日本学術会議の地域研究委員会多文化共生分科会が「外国人の子どもの教育を受ける権利と修学の保障―公立高校の「入口」から「出口」まで」という提言を8月11日に公表しました。
 ここ最近、不就学の子どもの把握や高校進学やキャリア教育などについての議論も盛んに行われるようになっているように思います。
 目を通しておきたい文書です。

日本学術会議(2020)「外国人の子どもの教育を受ける権利と修学の保障―公立高校の「入口」から「出口」まで」(PDF)

2020年8月2日日曜日

本の紹介(2020.08)

 梅雨明けし、暑い毎日が続きますね。
 そして、新型コロナウィルスの感染者も急増し、さまざまな面で危機感が募るところです。

 さて、7月に紹介予定だった本の紹介がアップできず、8月に入ってしまいました💦
 2冊、新書のご紹介です。

鳥井一平(2020)『国家と移民ー外国人労働者と日本の未来ー』集英社新書
 NHKのプロフェッショナルや朝日新聞のbeで取り上げられたりと、ご存じの方も多いかと思います。鳥井さんは、特定非営利活動法人 移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)の代表を務めていらっしゃいます。
 理不尽な環境で仕事を強いられ、SOSを発信する外国人労働者を支援してこられた経験から、さまざまなケースを紹介しながら進められるので、とても読みやすい本です。
鳥井さんの人となりや助けを求めにきた外国人とのつながりや絆も感じられますし、着実にできることを、タイミングを逸せずに続けていくことの重要性を感じます。


澤田晃宏(2020)『ルポ技能実習生』ちくま新書
 こちらは、ベトナムからの技能実習生の実態について、ベトナムでの募集、送り出しまでの研修、派遣費用、管理団体と送り出し団体の関係など、さまざまな点について現場を丁寧に描いています。
 また、来日後の状況や失踪するベトナム人実習生の支援に関わる人々の話に加え、最近よく比較されるようになった韓国の雇用許可制の話もあり、読み応えのある一冊です。
 外国人労働者関係を中心に取材・執筆をしている筆者だからこその本になっていると思います。


 どちらも実習生に関わる本ですので、特に、実習生に関わる支援をしている方、地域日本語教室で日本語学習の支援をされている方などにとっては参考になると思います。

 熱中症に気をつけつつ、家で過ごす際の読書タイムにぜひご一読ください。

2020年7月19日日曜日

7月の例会で共有したオススメ・その3(多様なメディア)

 整理しきれずに、以下のものをアップし忘れていたので、ご紹介します。

LOVE FM
多言語で発信されています。

ASEAN各国の国立美術館アーカイブス
美術館の作品など、Web上で鑑賞できます。

Covid-19の影響で、世界各地の博物館・美術館が同様にオンラインでの発信に力を入れています。
気になる博物館・美術館にアクセスしてみると、以外とWebで鑑賞できるものが増えているかもしれません。

7月例会で共有しそびれたオススメ(映画・本)

 例会をオーガナイズしている間、事務局伊藤は自分がオススメをご紹介することができなかったのですが、Black lives matter関係でご紹介です。

スパイク・リー監督の映画は面白いと思います。

スパイク・リー監督(1989)「Do the right things」(配給UIP、日本上映1990年)
字幕のない予告編ですが、Amazon Primeの方は無料で映画が見られます。



スパイク・リー監督(2018)「ブラック・クランズマン」(配給パルコ、日本上映2019年)
こちらもAmazon Primeの方は無料で視聴できます。



数年前の映画ですが、こちらもオススメです。
ラウル・ペック監督(2016)「私はあなたのニグロではない」(配給マジックアワー、日本上映2018年)



7月にKBCシネマで上映されていた映画です。
ガイ・ナティーヴ監督(2019)「Skin」(配給コピアポア・フィルム、日本上映2020年)


短編が話題を呼び、本作の製作につながったとのことです。
是非、短編と一緒にご覧になるといいと思います。

また併せて、以下の本に目を通すと理解も深まると思います。

渡辺靖(2020)『白人ナショナリズムーアメリカを揺るがす「文化的反動」ー』中公新書



事務局のアンテナに引っかかったものをご紹介しましたが、このほかにも必読・必見というものがあると思います。
是非是非お知らせ下さい♪

7月例会で共有したオススメ・その2(映像・映画)

先ほどのアップに引き続き、例会で共有された映像や映画に関するオススメです。

~自粛期間に見つけたオススメ(映像・映画)~

竹内亮監督(2020)「好久不見、武漢(お久しぶりです、武漢)」



佐々木美佳監督(2020)「タゴールソングス」



Netflix「サバイバー宿命の大統領」



マルコ・クロイツバイントナー監督(2019)「コリーニ事件」(配給クロックワークス、2020年日本上映)



この映画は原作があります。本屋大賞などでも話題になりました。

フェルディナント・フォン・シーラッハ、酒寄進一訳(2017)『コリーニ事件』創元推理文庫




ゼーンケ・ヴォルトマン監督(2018)「お名前はアドルフ?」(配給Cetera International、2020年日本上映)

7月例会で共有したオススメ・その1(本)

 7月18日(土)にオンライン例会をしました。
 総会はオンラインで開催しましたが、オンラインでの例会開催は初めてです。
 Zoomに入っていただくのに、最初はドタバタしましたが💦(すみません…)、なんとか例会を行うことができました。今回はそこで挙がったオススメ情報です。

~自粛期間に見つけたオススメ・本の紹介

東山彰良(2017)『流』講談社文庫



今井むつみ(2020)『親子で育てるこどばの力と思考力』筑摩書房



広瀬浩二郎(2017)『目に見えない世界を歩く』平凡社新書



多和田葉子(2018)『地球にちりばめられて』講談社
多和田葉子(2020)『星に仄めかされて』講談社



ティムール・ヴェルメシュ、森内薫訳(2020)『空腹ネズミと満腹ネズミ 上・下』河出書房新社



ベルンハルト・シュリンク、松永美穂訳(2020)『オルガ』新潮クレストブックス



後半5冊は、ドイツびいきの事務局伊藤よりオススメです。
多和田葉子さんの作品は三部作のうちの2冊です。
ことばや国境を越え、著者らしい言葉遊びも混じりながらの作品です。
『空腹ネズミと満腹ネズミ』は難民がテーマの小説です。
著者は『帰ってきたヒトラー』(←これも面白い!映画化されました)で注目された方です。
『オルガ』は第1次世界大戦から現代まで、翻弄された女性を描いています。
著者は『朗読者』(映画化されましたが、映画のタイトルは「愛を読む人」)で世界的に名を知らしめた方です。

どの書籍も面白そうなものですので、お時間のあるときに是非!

2020年7月6日月曜日

文科省「外国人の子供の就学の促進及び就学状況の把握等に関する指針の策定について」(通知)

 九州各地で豪雨が続いていますが、みなさんがお住まいの地域は大丈夫でしょうか。

 さて、2020年7月1日付けで文科省より「外国人の子供の就学の促進及び就学状況の把握等に関する指針の策定について」(通知)が出されました。
 外国人児童生徒等に関する研修の機会の設定や小中高などの連携などにも言及がなされています。ともいきの活動との関わりで言えば、「(6)高等学校等への進学の促進」のなかで進路ガイダンスについて言及されています。以下、抜粋です。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
(6)高等学校等への進学の促進
 外国人の子供が社会で自立していくためには、高等学校等において適切な教育を受けることが重要である。このため、高等学校等への進学を促進する観点から、教育委員会において以下の取組が求められる。
中学校等において、在籍する外国人の子供やその保護者に対し、早い時期から進路ガイダンスや進路相談等の取組を実施すること。
公立高等学校入学者選抜において、外国人生徒を対象とした特別定員枠の設定や受検に際しての配慮(試験教科の軽減、問題文の漢字へのルビ振り等)等の取組を推進すること
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

 ボランティアベースで行われてきた就学・進路ガイダンスが、ここで言及されているように教育委員会主催による実施へと前進することを切に願います。

 サイトには通知の他、参考資料等が一覧になっています。ぜひご覧下さい。

文部科学省HP
「外国人の子供の就学の促進及び就学状況の把握等に関する指針の策定について」(通知)


2020年6月24日水曜日

日本語教育の推進に関する閣議決定

 こんにちは。
 今日はいつもに増して暑いですね。

 昨日6月23日付で、これまで文化庁で議論されていた日本語教育の推進に関わる基本方針について、閣議決定がなされました。
 基本的な方針とその概要については、文化庁のHPにアップされています。

文化庁HP
日本語教育の推進に関する施策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針の閣議決定について

2020年6月23日火曜日

本の紹介(2020.06)

6月もあっという間に下旬に入りましたね。
今回は本の紹介です。

中田考&天川まなる(2020)『ハサン中田考のマンガでわかるイスラーム入門』CYZO

イスラーム関係ではおなじみの中田先生による解説です。
すべてがマンガで描かれている訳ではなく、対話形式の部分は文字でしっかり説明されており、分かりやすいです。
個人的には、中田先生のおちゃめな人となりが表れていて、その上、時々吹き出したくなるような(そして、突っ込みたくなるような)台詞があったりなど、とても面白く読めました。
(そして、シーンによってはイスラーム的に大丈夫なのか、さらには日本社会におけるご自身の立場的に大丈夫なのか…など突っ込みたくなるところもありました。)
もちろん、面白いだけでなく、ちゃんとイスラームに関する勉強になります。
是非、ご一読ください。
また、かなり個人的ですが、下記のAmazonのリンク先(画像)を是非クリックして下さい。
中田先生が斜め45度を見上げながらたたずむ写真が、個人的には良い写真だなと思い、ツボです。



イブティハージ・ムハンマド&S.K・アリ文、ハテム・アリ絵、野坂悦子訳(2020)『ねえさんの青いヒジャブ』BL出版

偶然見つけた絵本なのですが、作者の経験を基にしたとても素敵な物語です。
新学期に初めてヒジャブをつけて学校にいく女の子。そしてそのお姉さんを誇りに思う妹。
もちろん、ヒジャブをかぶっていることで他者から投げかけられる心ないことばも描かれます。
それでも青いヒジャブに込められた思いが絵本の色彩とともに読み手に訴えかけます。
著者のイブラティハージ・ムハンマドは、アメリカのフェンシング選手で、アメリカ選手として初めてヒジャブをつけてオリンピックに出場した選手だそうです。
自身の経験をもとに、同じようにヒジャブをつけている子、そして肌の色の違う子、その両方が当てはまる子(著者自身がそうです)に、メッセージを込めています。
本当に素敵な絵本です。
是非手に取ってみて下さい。

2020年6月14日日曜日

7月の例会のご案内(オンライン例会)

続けてのアップです。
対面での例会はまだ難しいものの、何かできることはないだろうかと思い、7月の例会はオンラインで行うことになりました。
オンラインでのさまざまな支援が話題になることが増えましたが、今回はよるとも会でオンラインを試してみての実際について、よるとも会代表の古賀さん、副代表伊藤から報告します。
また、いつもの情報交換会も趣向を変えて、「オススメ情報交換」ということにしたいと思います。
Zoomでのオンライン例会になりますので、技術的、環境的、セキュリティ面で参加が難しい方もいらっしゃるかと思いますが、ご関心のある方はぜひご参加ください。

<7月の例会>
日時:2020年7月18日(土)14:00~16:00
ツール:Zoomでの開催になります。
 ※技術的なサポートはいたしかねますので、ご了承ください。
内容1「よるとも会をオンラインでしてみたら…」
 話題提供者:香椎浜小学校親子日本語教室よるとも会代表 古賀美津子さん
                       同副代表 伊藤亜希子さん
内容2 情報交換~自粛期間に見つけたオススメ~
 ※参加者はこの間に見つけたオススメ情報、本、映画、サイトなど、何でも構いませんので、情報共有をお願いいたします。
申込:要申し込み。
   2020年7月11日(土)までに事務局メールまでお申し込みください。
   お申し込みいただいた方のみに、例会の前日までにメールでZoomミーティング情報をお知らせします。
申込・問い合わせ先:NPO法人ともに生きる街ふくおかの会 事務局メール
          tomoikifukuoka●gmail.com(●をアットマークに変えてお送りください。)

8月の就学・進路相談会の中止について

あっという間に、6月も半ばになりました。
梅雨入りしましたが、みなさん、いかがお過ごしですか。

今回は残念なお知らせです。
例年、8月に開催している外国にルーツを持つ子どものための就学・進路相談会ですが、今年の8月は実施を見送ることになりました。
今後の新型コロナウイルスの状況がどうなるのか見通せない点、相談会という性質上、どうしても3密になりやすいこと、今年の夏休み期間がかなり短縮されたことなど、いろいろ考慮した上で、決定しました。

支援している子どもや保護者への情報提供や対応にお困りの方は、個別にともいきのメールアドレスにご相談ください。
ご連絡いただいたことに関しては、できる範囲で対応したいと考えています。

10月の相談会についても状況を見ながら実施の可否を検討したいと思っています。
これについては、また別途ご連絡差し上げます。

NPO法人ともに生きる街ふくおかの会 事務局
E-Mail:tomoikifukuoka●gmail.com
※●をアットマークに変えてください。

2020年6月2日火曜日

「生活者としての外国人」のための日本語学習サイト

 蒸し暑くなってきましたね。
 熱中症にも注意しないといけない季節になってきました…

 文化庁が、「生活者としての外国人」のための日本語学習サイト―つながるひろがるにほんごでのくらし―を公開しています。
 日本語教室空白地域解消推進事業の成果だとのことですが、新型コロナウィルスの関係でボランティアの日本語教室がなかなか再開できないなかでは、とても貴重なものかと思います。
 日本語、英語、中国語、ポルトガル語、スペイン語、ベトナム語で公開されています。

文化庁HP
 「生活者としての外国人」のための日本語学習サイト つながるひろがるにほんごでのくらし

2020年5月28日木曜日

本の紹介(2020.05)

 日々が慌ただしく、4月も本の紹介ができていなかったので、なんとか5月は…と思い、本の紹介です。

木下寛子(2020)「共に生きるってどういうこと?―多文化状況の日常場面から考える『共生』―」、川島大輔・松本学・徳田治子・保坂裕子編『多様な人生のかたちに迫る発達心理学』ナカニシヤ出版

 福岡市のある学童の場を舞台とした共生の日常を描いています。ムスリムの子どもを受け入れることになってから、それまでの学童の日常がどう新しい日常となっていったのか。「おやつ」の時間をめぐって、学童を見守る大人とそこで過ごす子どもたちの日常があたたかく描かれています。
 こうした事例から、筆者は「共に生きる」ことの要件として、「重要なのは、それまでの日常において大切にしていたことを新たな他者との出会いのなかでも大事にできるように、持ちうる力と知恵を最大限発揮することだけだった。それはつまり、私たちが日々を生きるあり方そのものが、多文化状況の日々における「共に生きる」ことの基礎になるということに他ならない」(136頁)と述べています。
 新たな他者と出会ったときに、私たちが日常で大切にすること、他者が大切にすること、双方を大切にしながら、それを共有できたとき、そしてそれが日常になったとき、筆者の述べるように「共に生きる」ことを基礎を作りだせるのかなと感じました。



松村圭一郎(2020)『はみだしの人類学―ともに生きる方法―』NHK出版

 文化人類学の立場から、「違い」を乗り越えてともに生きるための技法を考えるといった内容のとても読みやすい本です。
 ともいきで取り組んできたことを考えて、共感したのは、「共鳴のつながり」と筆者が呼ぶものです。筆者はそれを「他者と交わるなかでお互いが変化するようなつながり方」(94頁)と定義しています。そして、「共鳴のつながり」は、「予想外の出来事や偶然の出会いで変化が生まれることを、みずからの糧にします。自分の生まれ育った世界とは違う世界を生きる人や違う価値観の人との出会いをみずからの『喜び』に代える姿勢」(103頁)でもあると述べています。
 本書の最後には、筆者が文化人類学を学ぶなかで手にした実感として、次のように述べています。
 「『わたし』や『わたしたち』が変化するからこそ、周囲の人や環境も、自分自身もあらたな目でとらえなおすことができる。脅威に感じられた差異が可能性の差異に変わる。それこそが、さまざまな差異に囲まれ、差異への憎悪があふれるこの世界で、他者とともに生きていく方法なのではないか」(104頁)。
 このように言語化されたことは、多文化住民との関わりのなかで、地域の日本語教室のなかで、隣人として生きる私たちの日常のなかで感じていることとつながるな、と思いました。
 日本語教育でも言語教育でも、教育の本でもありませんが、違った角度から日々の実践を捉えるためにもオススメの1冊です。

2020年5月22日金曜日

特別支援が必要な子どものためのコンテンツ

 先日、特別支援が必要な子どもたち向けのコンテンツをまとめた津田塾大学の取り組みが新聞で紹介されていました。
 Facebookではすでに共有しましたが、ブログにもアップします。

津田塾大学
「学びの危機」Counter Learning Crisis Project―障害のある子どもたちの「学びの灯」のために―

 この間、多様なニーズを持つ子どものための学習コンテンツについて、さまざまな発信がなされています。
 子どもの多様なニーズにあったコンテンツと出会えれば、少しずつではあっても学習が進んでいくのではないかと思います。


2020年5月17日日曜日

文部科学省「子供の学び応援サイト」

 文部科学省のHPに「子供の学び応援サイト」ができています。
 開設当初は、一般的な学習コンテンツに関する情報を集約していましたが、外国に繋がる子ども向けのページもできています。

文部科学省HP
 子供の学び応援サイト
 外国につながる子供の学び応援リンク集

 「外国につながる子供の学び応援リンク集」は、支援者向けのリンク集です。
 外国につながる子どもの支援に携わっていらっしゃる方は、是非ご覧下さい。

 福岡も緊急事態宣言が解除され、分散登校も始まっていきますが、まだまだ気が抜けないところです。
 そうしたなかでの支援の参考になればと思います。

2020年5月12日火曜日

子どもたち応援サイト(京都大学)

 京都大学大学院教育学研究科・教育学部の有志が、オンラインでの学習コンテンツをまとめたサイトを作成しています。
 JSLの子どもたちに特化したわけではありませんが、オンラインでの学習コンテンツにどういったものがあるか分からない、知りたいと言う方、たくさんの選択肢から子どもに合わせて使いたいという方は、是非参考にしてください。

子どもたち応援サイト趣旨説明リーフレット(PDF)
子どもたち応援サイト

2020年5月11日月曜日

特別定額給付金について

 先日、私の入っているメーリングリストで情報共有がなされていたのですが、総務省のHPに特別定額給付金についての多言語案内がアップされています。
 (リンク先の下の方に進むと、見つけられます。)
 必要な方にお知らせ下さい。


 また、申請書の書き方の案内が以下のサイトにあります。
 動画で書類が示されながら説明が進むので、分かりやすいと思います。
 こちらも多言語(12言語)のものです。

2020年5月9日土曜日

災害時に便利なアプリとWebサイト(内閣府HP)

 今日は雨ですね☂
 メーリングリストで、内閣府が作成した「災害時に便利なアプリとWebサイト」の多言語情報について案内がありました。
 日本語を含めて15言語です。
 これから徐々に雨の季節になっていきますが、災害が起こらないことを祈るばかりです。

内閣府HP「災害時に便利なアプリとWebサイト」

2020年4月25日土曜日

生活福祉資金貸付制度について

 天気のいい週末ですね。
 厚労省のHPに、新型コロナウイルス感染症の影響により、収入が減った世帯を対象にした特例貸付に関する情報が出ています。
 やさしい日本語版や各国語版(英語、韓国語、中国語(簡体字)、ベトナム語、ポルトガル語、スペイン語)も出ていますが、どのように運用されているのかは、実際に問い合わせてみないと分からないところかと思います。
 参考までに。

厚労省HP
新型コロナウイルス感染症の影響により生活資金でお悩みの皆さまへ

2020年4月17日金曜日

今後の予定について

 久しぶりのアップです。
 できる範囲での自粛生活が続いていますが、こんなときこそ繋がっておきたい人々の顔が浮かんだりしています。

 さて、例年ですと5月の例会案内と総会のご案内をする頃ですが、当面、以下のように対応します。

1.5月の例会
 中止します。そもそもご案内もしておりませんが、楽しみにされていた方、申し訳ありません。
 状況を見て、例会の再開について考えたいと思います。

2.総会
 2019年度年会費を納めて下さっている正会員のみなさまには、総会のご案内を5月の例会案内とともに例年であれば差し上げるところですが、現在、実施の方法について検討中です。
 5月以降、該当の方にはメールでご連絡差し上げます。

3.外国にルーツを持つ子どものための就学・進路相談会
 新型コロナウイルスの収束が現段階では見通せないため、2020年度の実施については現在検討中です。
 しかるべきときに検討結果についてはご案内いたします。

 長引く自粛で気分も落ち込みがちですが、自分なりのリフレッシュ方法を見つけながら乗り切っていきましょう。

2020年4月3日金曜日

新型コロナウィルス対応指さし会話

 新型コロナウィルスの感染者が日々増加していますが、みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
 BuzzFeedで記事の検索をしていたら、新型コロナウィルス対策の多言語指さし会話を見つけました。
 みなさんも旅行に「指さし会話」の本を持って行ったことがあったり、本屋さんで眺めたことがあるのではないでしょうか。
 そのYubisashiが、多言語化のいろいろな取り組みをしています。HPを是非ご覧下さい。防災関係の役立つリソースもあります。

Yubisashi
新型コロナウィルス対応指さし会話
 このページで13カ国語に対応した会話ツールが無料配布されています。PDFでダウンロードできます。
13カ国語:日本語、英語、簡体字中国語、台湾華語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語、インドネシア語、フィリピン語、ベトナム語、タイ語、韓国語


2020年3月30日月曜日

本の紹介(2020.03その3)

 今月は本の紹介が多めですが、忘れてしまう前に…ご紹介します。

鳥飼玖美子・苅谷夏子・苅谷剛彦(2019)『ことばの教育を問いなおす―国語・英語の現在と未来―』ちくま新書
 特に外国につながる子どもの日本語教育に関係して、というわけではありませんが、改めて「ことばの力」や「ことばの教育」について考えさせられた本です。
 鳥飼玖美子氏は英語教育について、特に小学校英語教育の是非については、母語の力が十分でないうちからの小学校英語教育については反対の立場から発信されてきた方です。苅谷夏子氏は大村はま氏の国語教育実践についてまとめていらっしゃる方で、苅谷剛彦氏は教育学の世界では著名な方です。
 この三者が、それぞれの立場からことばの教育について語っています。
 表面的な流ちょうさではなく、話す内容やその論理性が本来は必要とされるものであり、そうしたことばの力をどう鍛えるのか、自分たちが鍛えられたかも述べられます。そうした三者の文章からは、抽象的な思考が可能となることばの力を身につけることの重要性を強く感じます。
 一件、難しそうに思われるかもしれませんが、語りかけるように書かれているので、読みやすいです。
 「日本語教育」の本ではありませんが、「ことばの教育」に関わる方にはオススメの本です。



清水由美(文)・ヨシタケシンスケ(絵)(2018)『日本語びいき』中公文庫
 著者による『日本人の日本語知らず。』を増補改題した文庫版です。
 日本語教師が、教えているときに遭遇する日本語教育文法の話や学習者の使用、日本語教師の立場から思うことなどを綴ったエッセイです。
 本格的に日本語教師としてお仕事をされている方でなくとも、日本語教室で教えたことのある方は、「あるある!」と思いながらあっという間に読める本です。
 実は、この本を読みながら、日本語教育の文法的な疑問を持ったので、そのうちどなたかに解説していただこう、と思っています。
 (新型コロナウイルスが終息して、日本語教室が再開したら質問します!)



 ことばについての本を読んでいたら、10年以上前に読んだエッセイのことを思い出しました。

多和田葉子(2003)『エクソフォニー―母語の外へ出る旅―』岩波書店
(多和田葉子(2012)『エクソフォニー―母語の外へ出る旅―』岩波現代文庫
 2012年に岩波現代文庫として刊行されていますが、岩波現代文庫ではリービ英雄さんが解説をしているようです。
 (私の手元にあるのは、文庫版ではないので…)
 日本語とドイツ語で創作活動を行う著者が、ことばをめぐって、日本語、ドイツ語、さらに他の言語に触れて感じることを軽やかに綴っています。
 日本語ではないで生活した経験がある方、日本語学習でことばの間を漂いながら表現している人と接している方など、興味深く読めると思います。
 第二部は、ドイツ語を学習している人にはとても面白く読めると思います。
 ドイツ語学習者からして「そうなんだ~」や「あるある!」と思うところがたくさんあります。もちろんドイツ語学習者でなくとも、外国語学習の経験がある方にとっては興味深いと思います。

 ことばは、著者にとって一つの大きなテーマだと思いますが、次の物語も興味深く読めました。

多和田葉子(2018)『地球にちりばめられて』講談社
 ある日、自分の国が消滅してしまったら…。コミュニケートするための新しいことばを作り出し、自分と同じ母語を話す人を探す旅に出る主人公。
 新しく作り出したことば、自分の母語、言語によってつながっていく人々との出会い。
 とても素敵な作品です。



 新型コロナウイルス感染拡大を防止するため、不要不急な外出自粛が求められていますが、体調管理をしつつ、部屋のなかでの過ごし方の一つとして読書を楽しめたらいいですね。

2020年3月28日土曜日

外国人の子どもの就学状況等調査について

 引き続き、外国人児童生徒等の関係です。
 秋頃に外国人の子どもの就学状況調査の速報値が出されましたが、その確定値と調査結果が昨日(3月27日)に公表されています。
 就学状況に関わって、就学状況の把握や就学促進の取り組み、各種規定、指導体制の整備状況等についても報告がなされています。

  • 外国人の子供の就学状況等調査結果(確定値)(概要) (PDF)
  • 外国人の子供の就学状況等調査結果(確定値) (PDF)
  • 外国人の子供の就学状況の把握・就学促進に関する取組事例1 (PDF)
  • 外国人の子供の就学状況の把握・就学促進に関する取組事例2 (PDF)
  • 外国人児童生徒等教育の充実について(報告)

     先ほどの在留資格に引き続いてのアップです。
     ともいきのブログでも時折紹介していましたが、外国人児童生徒等の教育の充実に関する有識者会議の報告書は、昨日3月27日付けで文科省より公表されました。
     今後の方向性を示すものとして、しっかり読み込みたいところです。

    文部科学省HP
    外国人児童生徒等の教育の充実に関する有識者会議報告書(概要)(PDF)
    外国人児童生徒等の教育の充実について(報告)(PDF)

    「家族滞在」の在留資格で日本の高校で学び、卒業後就職を希望する場合について

     福岡は昨日の雨が今日は弱まったものの、咲き始めていた桜もだいぶ散ったことと思います。
     さて、以前にも話題になりましたが、「家族滞在」の在留資格で日本の高校卒業後に就職する場合の在留資格の切り替えについて、法務省がHP上で説明を公表しています。
     PDFファイルにまとめられている説明はずいぶんと分かりやすいと思いました。
     「家族滞在」で日本の高校に通っており、卒業後の進路として就職も視野に入れている生徒をご存じでしたら、是非一度目を通してみてください。

    法務省HP
    「家族滞在」の在留資格をもって在留し、本邦で高等学校卒業後に本邦での就労を希望する方へ

    高等学校卒業後に日本での就労を考えている外国籍を有する高校生の方へ(PDF)

    2020年3月16日月曜日

    新型コロナウイルスに関する多言語情報について

     2月にも新型コロナウイルスに関する多言語情報についてアップしましたが、子どもメールというメーリングリストで情報の集約・整理がなされているサイトのお知らせがありました。
     NPO法人多文化共生マネージャー全国協議会が整理しているものです。
     以下をご覧ください。

    NPO法人多文化共生マネージャー全国協議会
    【第4報】各地域の多言語情報発信サイト

     ともいき理事の古城さんからは入管からの情報が寄せられました。
     この間に在留資格関係の手続きをしなくてはならない方がお近くにいたら、一緒に確認していただければと思います。
     ※以下の案内はやさしい日本語で作成されたものとのことですが、行政の文章はもともとが日本人にとっても難解な言い回しであったりすることもあるため、一読しただけでは分からない可能性があります。

    出入国在留管理庁ホームページ
    新型コロナウイルスについてQ&A
    入管からのお知らせ:入管への書類の提出について
    入管からのお知らせ:日本に入国予定の人へ

    2020年3月10日火曜日

    本の紹介(2020.03その2)

     続いて本の紹介です。
     今度は新書になります。

    国籍問題研究会編(2019)『二重国籍と日本』ちくま新書
     外国につながる人々と関わるなかで、国籍に関わる話が出てくることがあり、なんとなく分かったような気になっていたりもしますが、やはり複雑です。
     大坂なおみ選手をはじめ、ダブルのスポーツ選手がどちらの国の代表として試合に出るのか、二重国籍の場合にどちらを選択するのか、ということが話題になったりしますが、そうしたことを入り口にしながら二重国籍について分かりやすく述べてあります。
     蓮舫議員の国籍問題についても大きく紙面を割いて解説してあり、二重国籍問題の複雑さがよく分かりました。さらには世界の潮流などについても触れられており、勉強になる一冊です。



    永吉希久子(2020)『移民と日本社会―データで読み解く実態と将来像―』中央新書
     移民を取り巻くさまざまな事柄について、例えば、「外国人が増えたら犯罪が増加する」や「外国人が増えたら雇用が奪われる」「社会保障費の負担が増える」など、漠然としたイメージがあります。こうしたことについて、統計データを用いた研究を基に本当にそうなのか?と問い直している本です。
     統計と聞くと私はどちらかというと苦手なのですが、わかりやすく解説してあって読みやすいです。さらに、国内外の研究を踏まえているので、なかには地域づくりに関わる研究データが紹介されていたりもして、参考になります。
     第3章「移民受け入れの社会的影響」が地域に関わるものになりますが、問題解決が個人に依存していると脆弱であり、それを回避するには移民が自治会活動に関わる仕組みづくりが必要と先行研究から指摘されています。読みながら、これまた香椎浜のことを思い出したりしました。
     個人的には、第4章「あるべき統合像の模索」で示される多文化主義政策の指標などは興味深かったです。カナダとドイツの研究者が提示する指標がそれぞれ挙げられていますが、普段ヨーロッパを見ている立場からすると社会のあり方の違いが反映された指標で、いろいろと考えを巡らせました。


     この新書に近い形で(著者は社会学がベースなので「違います」と言われそうですが…)移民にアプローチしている新書があります。

    友原章典(2020)『移民の経済学―雇用、経済成長から治安まで、日本は変わるか―』中公新書
     経済学をベースにしているものですが、扱われる先行研究は永吉さんのものと共通したものが見られます。
     経済学と聞くと難しそうだなと思う方もいらっしゃると思いますが(私自身です…)、第6章「治安が悪化し、社会不安を招くのか」では、地域の結びつきと多文化共生や移民に対する日本人の態度などを扱っており、興味深いです。
     永吉さんの著書と合わせて読むといいかと思います。


     外国につながる子どもの教育や異文化理解に直結するものではありませんが、新書だと手に取りやすいので、是非手にとっていただければと思います。

    2020年3月9日月曜日

    本の紹介(2020.03その1)

     新型コロナウィルスの感染拡大で、いろいろなことが生じています。
     学校の突然の休校、卒業式の中止、入社式の中止など、私たちの生活にも影響が出ています。
     外出を控えている方も多いのではないでしょうか。
     気持ちはなかなか落ち着きませんが、家にいる時間に普段はゆっくり読めない本を手にとってもいいかもしれません。

     さて、先月紹介しそびれていた本をご紹介します。

    星野ルネ(2019)『まんが アフリカ少年が日本で育った結果 ファミリー編』毎日新聞出版
     2018年11月のブログでも紹介したマンガの続編です。
     カメルーンからやってきたお母さんがどのように義理のご両親とコミュニケーションしたり、地域になじんでいったか、といったことやご近所づきあい、「あるある話」など盛りだくさんです。
     あまり紹介してしまうともったいない(!)ので、是非手にとってみてください。

     

    大島隆(2019)『芝園団地に住んでいます―住民の半分が外国人になったとき何が起きるか―』明石書店
     外国人住民が多い団地として知られる芝園団地。取材で出かけていた新聞記者が、団地に実際に住んでみることにしました。「取材する側」から「取材される側」に身を置くことで見えてくること。
     第5章「共生への模索」では、「顔が見える関係」を作るため「一緒に何かをする」、「共存か、共生か」、「文化の折り合いをつける」などは、読みながらも他の団地の話とは思えなくなっていきます。
     ともいきで関わっている香椎浜地域を彷彿させます。
     著者である大島さんも「同じ場所で共に生きていく住民として、意識的にお互いの関係を構築していく取り組み」が重要であることを指摘しています。
     伝えるプロセスを意識して、「日本人対外国人」の対立構造ではなく、「顔の見える関係づくり」へ。そして同じ地域に暮らす住民として共通の「帰属意識」を育てる、など、ともいきが活動をするなかで大切にしていることと通ずるものが、多々描かれています。
     どんな多文化共生も、楽しいことばかりではない。
     そこで暮らす人々の楽しみもあれば悩みもあり、努力もあれば葛藤もある。
     そんなことを考える1冊です。



     実は昨年末から紹介しそびれている本が多々あり(…💦)、そのなかの2冊でした!
     他の本はまた次のブログでご紹介します!

    2020年2月26日水曜日

    ともいきシンポジウム中止のお知らせ

     3月21日に開催予定だった「ともいきシンポジウム」は、昨今の新型コロナウィルスの感染拡大の状況を鑑み、中止することにしました。
     今回のテーマについては、次年度、何らかの形で取り上げる予定です。
     決まり次第、ブログ等でご案内いたします。
     すでに申し込みをして下さったみなさまには、お詫び申し上げるとともに、みなさま、くれぐれも体調管理にはお気を付け下さい。

    2020年2月21日金曜日

    イベント延期(東区多文化共生講座)について

     福岡市東区役所生涯学習推進課より連絡があり、ご案内していた3月8日(日)の多文化共生講座「やさしい日本語を使ってみよう~地域における異文化間交流の第一歩~」は、新型コロナウィルスの感染拡大を防ぐため、延期となりました。
     生涯学習推進課は、来年度に日を改めて実施したいとのことです。
     すでに申し込みくださったみなさまには、お礼とお詫び申し上げます。

    2020年2月18日火曜日

    新型コロナウイルスに関する多言語情報

     シェアが遅くなっていますが、新型コロナウイルスについて、福岡市は外国語対応相談電話について案内を出しています。

    【やさしい日本語】新型コロナウイルスの外国語対応相談電話のお知らせ
    Regarding Pneumonia Caused by the Novel Coronavirus
    关于新型冠状病毒肺炎的应对

     外国語対応相談電話の情報だけ、ここにも記載しておきます。
    ○日本語が分からない人(外国の方専用)
    Tel:092-687-5357
    対応言語:中国語(北京語)、英語、韓国語、ベトナム語、ネパール語、タイ語、インドネシア語、ポルトガル語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ロシア語、タガログ語、マレー語、みゃんぱー語、モンゴル語、クメール語
    ※以上の18言語で24時間対応だそうです。

     なかなか自分の一番分かることばでの情報が入りづらいと思います。必要な方にご案内ください。

     また、厚生労働省のHPには、感染予防として手洗いや咳エチケットについてポスターが作られています。

    手洗いについて(日本語)
    Washing hands
    洗手

    咳エチケットについて(日本語)
    Coughing manners
    咳嗽礼节
    (出典:首相官邸HP)


    日本語教育推進関係者会議(第2回)

     先月末に、日本語教育推進関係者会議(第2回)が開催されており、その資料が文化庁のHPにアップされています。
     アップしようと思っていたのですが、ずるずると2月も半ばを過ぎてしまいました…💦
     日本語教育推進法を施行していくために、国の基本方針を示す骨子案やそれに対する委員の意見には、しっかり目を通しておきたいところです。
     第1回も資料が多数ありましたが、関係するところは押さえておきたいですね。

    日本語教育推進関係者会議(第2回)
    (配付資料がアップされています。)

    2020年2月12日水曜日

    イベントのご案内:福岡市東区主催多文化共生講座

    ※新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、福岡市の主催行事は延期・または中止することになりました。
     このため、多文化共生講座についても延期が決定しました。
     来年度日を改めて行うとのことでしたので、決まり次第ご案内いたします。

     続けてのご案内です。
     昨年度に引き続き、ともいきは福岡市東区主催の多文化共生講座に協力しています。

    (画像をクリックすると、PDFで案内をダウンロードできます。)

    やさしい日本語を使ってみよう!
    ~地域における異文化間交流への第一歩~

     多文化共生の考え方ややさしい日本語について学び、地域における異文化間のコミュニケーションについて一緒に考えてみませんか。

    日時:2020年3月8日(日)10:00~12:30
    場所:なみきスクエア内 東市民センター2階視聴覚室
       (福岡市東区千早4丁目21-45)
    講師:伊藤亜希子さん(福岡大学/NPO法人ともに生きる街ふくおかの会理事)
       福間慎一さん(西日本新聞社編集局クロスメディア報道部デスク/
              記者兼経営企画局新メディア戦略室)
    定員:30名(要申込。応募者多数の場合抽選)
    参加費:無料
    申し込み:上の画像をクリックし、案内に従ってお申し込み下さい。
    申込〆切:2020年2月28日(金)

    ※申し込み、お問い合わせともに、ともいきではなく、案内に記載されている生涯学習推進課にお願いいたします。


    イベントのご案内:移住女性の妊娠をめぐって

     あっという間に2月も上旬が過ぎてしまいました。
     アップが遅くなりましたが、会員の高向さんよりイベントのご案内をいただきました。

    (画像をクリックするとPDFで案内をダウンロードできます。)

    移住女性の妊娠をめぐって
    ~出身国と日本での選択肢の違い~

    日時:2020年2月29日(土)13:00~15:00
    場所:クローバープラザ506研修室B
       (春日市原町3-1)
    講師:田中雅子さん(上智大学教授)
    参加費:無料
    定員:40名(要申込)
    主催・申し込み:アジア女性センター
    共催:福岡県男女共同参画センター「あすばる」
    申し込み方法:上の画像をクリックし、案内に従って申し込んで下さい。

    なお、同日の16:00~17:00に南市民センターで福岡のネパール人グループ主催で、同様のセミナーを行うそうです。
    やさしい日本語、英語、ネパール語で行われます。
    もしこうした情報を必要としていらっしゃる方がみなさんの周囲にいらっしゃいましたら、ご案内ください。
    英語の案内はこちら(PDF)
    ネパール語の案内はこちら(PDF)




    2020年1月27日月曜日

    ともいきシンポジウムのご案内

    ※ともいきシンポジウムについては、新型コロナウイルスの感染拡大の現状を鑑み、中止することにいたしました。今回の内容に関わっては、来年度に何らかの形で取り上げたいと思っております。その際には、またご案内差し上げますので、どうぞご理解いただきますようよろしくお願い申し上げます。(2020年2月26日)

     立て続けのアップです。
     3月21日(土)にともいきシンポジウムを開催します。
     今回は、文化間移動する子どもの経験が自分づくりやキャリア形成に与える影響について、台湾出身のご両親のもと、日本に生まれ、育ち、そして現在は中学校の教壇に立ち、もうすぐ4年目を終えようとしている黄俐嘉さんをお招きして、お話をうかがいます。

    NPO法人 ともに生きる街ふくおかの会 主催
    文化の間を往復する私
    ~これまでとこれから~

    (画像をクリックすると、案内チラシをダウンロードできます。)

     今日、外国につながる子どものキャリア形成が重視されるようになっています。家庭と学校の行き来というまさに日常的な文化間の移動を経験し、そのなかで育つ子どもたちはどのように自分づくりをし、自分の生き方を見つけていくのでしょうか。
     台湾出身のご両親のもと、日本に生まれ、育ち、そして現在は中学校の教壇に立ち、4年目を終えようとしている黄俐嘉さんをお招きし、お話しを伺いながら、外国につながる子どものキャリア形成について考えます。

    〇プログラム:
    情報提供「外国につながる子どもの教育課題とキャリア形成」
     吉谷武志さん(ともいき代表理事/東京学芸大学国際教育センター教授)
    講演「文化の間を往復する私~これまでとこれから~」
     黄俐嘉さん(世田谷区立緑丘中学校 英語科教諭)
    パネルトーク
     黄俐嘉さん、古賀美津子さん(香椎浜小学校親子日本語教室よるとも会)、吉谷武志さん

    日時:3月21日(土)13:00~16:00
    場所:福岡市NPO・ボランティア交流センターあすみん
       福岡市中央区今泉1-19-22天神クラス4階
    定員:50名(要申込)
    参加費:500円

     ※ともいき2019年度年会費納入済みの方、大学生以下は無料。

     ※参加費無料に該当する方も、こくちーずの画面上では「イベントの申し込み」で500円の参加費が記載されている部分のチェックが求められますが、当日に料金をいただくことはありません。
    申込み:こくちーずより3月20日(12:00)までにお申し込み下さい。
     ※メールでのお申し込みは受け付けておりませんので、ご注意下さい。
     https://www.kokuchpro.com/event/e2759ec0514972e0607533f0a005725d/
    問い合わせ:NPO法人ともに生きる街ふくおかの会
     E-Mail:tomoikifukuoka●gmail.com
     (●をアットマークに変えてお送り下さい。)

    外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策(改訂版)

     今日は荒れ模様のお天気のようですね。
     ともいきは先週の金曜日に北九州市国際交流協会の研修協力・参加、昨日の日曜日には香椎浜公民館の多文化共生のまちづくり講座と、中心メンバーと会員の活動が続きました。
     さて、昨年末に、2018年12月に出された「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策(改訂版)」が法務省のHPにアップされています。
     北九州国際交流協会の研修に参加されていた方から、乳幼児期の子どもの福祉や母親のための取り組みなどに関して、厚労省から調査が来ている、とうかがいました。
     おそらく、こうした総合的対応策が関係し、動きがあるのだろうと思います。
     チェックをしておきたいところです。

    法務省HP
    外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策(改訂版)(2019年12月20日)

    2020年1月19日日曜日

    本の紹介(2020.01)

     偶然見つけた本を2冊ご紹介したいと思います。

    黒川裕子作・宮尾和孝絵(2019)『となりのアブダラくん』講談社
     主人公の男の子は、クラスの中で浮かないように、浮かないようにと生活している小学生。そんな主人公のクラスにパキスタンから男の子の転校生がやってきました。もちろん、日本語は話せません。偶然、「お世話係」になってしまう主人公。二人はどのように互いを理解していくのでしょう。主人公よりもっと素直に、率直に違いを受け止め、相手の立場に立って考え、行動に移せる妹は、男の子の妹と仲良くなります。
     文化の違いに対する配慮は、必要な配慮なのか?それとも特別扱いなのか?
     異文化について、いわゆる「普通」とは異なることについて、保護者を含め学校全体で理解してもらおうとする取り組みの結果は…。是非読んでみて下さい。
     小学校高学年以上の児童書ですが、大人が読んでもとても面白いです。
     異文化理解の話、イスラーム教の理解、そして外国人という違いだけではなく、みんなが少しずつ持っている違いをちりばめながら、ストーリーが進みます。子どもの支援に携わっていらっしゃる方は、自分の知っている子どもたちを思い浮かべながら、読み進めるのではないでしょうか。



    織田朝日(2019)『となりの難民-日本が認めない99%の人たちのSOS』旬報社
     非正規滞在になってしまった人がなんらかのきっかけで収容されてしまう外国人収容施設。ときどきニュースでも取り上げられますが、その実態やそうした人たちに対する支援など、なかなか触れる機会がないと思います。著者は収容施設にいる外国人を訪問・面会し、そうした人々に寄り添う支援を行っています。そうした経験から入管に収容される難民や日本育ちの難民の子どもたちの様子、そして彼らに対する支援などについて丁寧に書かれています。
     難民と移民の違いや難民認定制度についても分かりやすく説明され、収容施設にいる人々や認定を待ち続ける人々の思いや彼らが指摘する現行制度の問題点なども取り上げられています。
     こちらも分かりやすい文章で書いてありますが、大人にも子どもにも読んでもらいたい本です。



     ここまで書いて、偶然にも2冊とも「となりの○○」というタイトルでした。
     私たちの身近な、「となり」にいる人々についても思いをはせる2冊になると思います。

    2020年1月17日金曜日

    イベントのご案内:講演会「単身就労から家族ぐるみの定住へ」(西日本短期大学)

     ずいぶんと冷え込んできました💦
     会員の高向さんより、下記の講演会についてご案内をいただきました。

    講演テーマ:単身就労から家族ぐるみの定住へ-人の移動をめぐる世界の潮流と日本の課題
    日時:2020年2月28日(金)13:30~15:00(13:00受け付け開始)
    場所:西日本短期大学(本館5階052教室)福岡市中央区福浜1-3-1
    講師:上智大学総合グローバル学部 田中雅子教授
    参加費:無料(要事前申込み)
    申込み方法等、詳細についてはこちらを確認し、各自お申し込み下さい。
    ※ともいきでは申込みは受け付けておりません。

    2020年1月14日火曜日

    イベントのご案内:九州中国帰国者支援・交流センター「まなびや」

     新しい年に入り、1月も半分が過ぎようとしています。
     みなさま、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

     九州中国帰国者支援・交流センターから、イベントのご案内をいただきました。


    中国帰国者支援のためのボランティア研修会「まなびや」
    <中国帰国者の歴史、今、これからを考える>

    日時:2020年2月9日(日)13:00~15:30(12:30より受け付け開始)
    場所:ウェルとばた 12階121・122会議室(北九州市戸畑区汐井町1-6)
    参加費:無料
    主催:九州中国帰国者支援・交流センター、社会福祉法人 福岡県社会福祉協議会
    後援:福岡県、北九州市、(公財)北九州国際交流協会
    申込方法:要申し込み。(詳しくは、下記の案内チラシをご覧下さい。)

    ○プログラム
    ・主催者挨拶
    ・講演 中国残留邦人の歴史と現状
      (公財)中国残留孤児援護基金 常務理事 小林悦夫氏
    ・帰国者2世の体験談
    ・帰国者日本語教室の発表
    ・帰国者「夕陽紅クラブ」による楽器演奏

    詳しくは、案内チラシ(PDF)をご覧ください。