NPO法人ともに生きる街ふくおかの会: とも生きふくおか活動の軌跡(1)

2016年6月12日日曜日

とも生きふくおか活動の軌跡(1)

 多文化共生の街ふくおかを目指す「ともに生きる街ふくおかの会(とも生きふくおか)」は今年2016年5月、法人格を取得し、NPO法人としての新しい活動の段階に入りました。
 当初のボランティア学習会としてのとも生きの発足から、今回の法人としての活動の開始までの15年間の活動を、何回かに分けて振り返ります。
 今回はその第1回です。

(1)とも生き前史-福岡市地域日本語推進事業(1998年4月~2001年3月)
1998年、福岡市役所国際企画課は文化庁委託事業「福岡市地域日本語教育推進事業」をうけ、市内在住の外国人住民への日本語支援に関する調査研究を始め、プロジェクトチームを発足させました。福大の田尻さん、日本語センターの川邊さん、九日連の進さん、和田さんなどそうそうたるメンバーでスタートした研究会は、2年目に「子どもの日本語」に関する事項を調査内容に加える事を決断し、とも生きメンバーの吉谷さんが急遽追加メンバーとして参加しました。全国的に見て、当時は未だ、子どもの日本語への着目は、少なくとも文化庁の事業としては意識化されていない時期だったと思われます。当時の委員長田尻さん(後に龍谷大学に転任)の英断ともいえるもので、とも生きのメンバーはこの大人の日本語と子どもの日本語のジョイントの中で出会い、勉強会を始めることになりました。
(※各位の所属は当時のもの)

(2)シンポジウムからとも生き設立へ(2001年4月~2002年1月)
 文化庁委託事業の報告は2002年3月の報告書作成で一段落し、会そのものは解散することになりました。ただし、会参加者の中には、3年続いた研究会を継続させ、日本語推進事業を民間ベースで考え続けたいという希望がありました。そこで発案されたのは、報告書をもとに福岡市の日本語の課題を考えるための「福岡日本語学習シンポジウム」(2001年9月29日)でした。そこでは3年間の調査から見えた、福岡の多文化状況、日本語学習の必要性、今後の方向性などが話し合われ、「日本語指導に関する情報交換会」を定期的に開催することが合意されました。
 この会はその後、隔月で開催され、日本語学習だけでなく広く福岡における多文化住民との共生のためには何が必要なのかが話し合われました。そして定期的な学習会をある程度組織化し、多文化共生の課題を継続的に考えていく会として「ともに生きる街ふくおかの会(とも生きふくおか)」が発足しました。2002年5月、ボランティア学習会、「とも生きふくおか」の正式な発足です。(続く)