NPO法人ともに生きる街ふくおかの会: 12月 2019

2019年12月20日金曜日

本の紹介(2019.12)

 外国人関係の本が多々出版されていて、なかなか読む方が追いつきませんが、ご紹介です。

NHK取材班(2019)『データでよみとく外国人”依存”ニッポン』光文社新書

 NHKのニュースでもいろいろと報道されていたので、ご存じの方もいらっしゃると思います。
 「外国人労働者」と「他人事」として捉えるのではなく、わたしたちの社会がどれほど外国人によって支えられているのか、「依存」ということばを用いて議論を喚起しようとしています。ともいきの活動で大きく関わるのは、子どもたちや家族ですが、第3章「「人生」「家族」として考える外国人“依存”」で扱われています。
 具体的なデータを用いながら、そして取材現場の話を交えて書かれているので、読みやすいと思います。あえて言うならば、データと取材に基づきあぶり出される課題に対し、外国人との関わりのなかで生まれる前向きな取り組みや展望にももう少し光が当たると、外国人支援の現場で活動の参考になったと思います。
 変化になかなか政策が追いつかない…というもどかしさは、さまざまな現場で外国人と関わる人々が共通に抱えるものだと思います。日本語教育推進法の具体化が議論されるに伴い、政策においても前進が見られることを期待したいです。



アルク(2019)『復刊 日本語』

 日本語教育関係の方は、『月刊 日本語』や『日本語教育ジャーナル』を講読されていた方も多いと思います。休刊していましたが、今回、アルク創立50周年を記念し、復刊させたのがこの雑誌になります。
 現場で専門性と日本語力を生かして働く方のお話しや日本語教育施策に関する情報が多岐にわたり掲載されています。また、データもいろいろと示されているので、こちらも読みやすいものとなっています。
 ともいきシンポにご登壇いただいた田尻先生も、「特別コラム 田尻英三のオピニオン~気になる3つの動き~」を執筆されています。(個人的にものすごく懐かしいです!)
 是非、手に取ってみて下さい。



「社会言語学」刊行会(2019)『社会言語学』XIX号

 こちらにも田尻先生が寄稿(「外国人労働者の受け入れに係る日本語教育施策―「日本語教育推進に関する法律」成立までの経過―」)されています。
 ひつじ書房から2017年に出版された編著『外国人労働者受け入れと日本語教育』以降、日本語教育推進法成立までを追ったものとなっています。こちらも是非ご覧下さい。
 他にも興味深い論文もありましたが、個人的には、ましこ・ひでのりさんの書評を読みながら大きくうなずくところもあり、こちらも非常に興味深いものでした。これは、牲川波都季編、有田佳代子・庵功雄・寺沢拓敬著(2019)『日本語教育はどこへ向かうのか―移民時代の政策を動かすために―』(くろしお出版)に対する書評と、編者及び著者からの応答からなっています。

『社会言語学』XIX号はこちらから

 あっという間に12月も下旬になりますね。
 少し早いですが、みなさま、どうぞ良い年末年始をお過ごし下さい!

2019年12月5日木曜日

発達障害に関する外国人保護者向けパンフレット

 続けてのアップです。
 ここ数年、就学・進路相談会でも特別支援関係のご相談を受けることが増えてきました。
 発達障害情報・支援センターでは、発達障害に関する外国人保護者向けのパンフレットを作成しています。
 やさしい日本語のほか、英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、タガログ語、ベンガル語、ネパール語、ベトナム語、インドネシア語、ミャンマー語のパンフレットがアップされています。
 (かなりの範囲をカバーしていますよね。)
 相談の最初の一歩につながる資料になると思います。
 日本語教室のボランティアや先生方が見ておくと参考になるかもしれません。

発達障害情報・支援センター
外国人保護者向けパンフレット(多言語版パンフレット)
*リンク先の「日本の取り組み・世界の動き」となっていて、「日本の取り組み」が一番上にありますが、すぐ下に「発達障害に関する外国人保護者向けパンフレット」があります。スクロールしていくとパンフレットが出てくるので、必要な言語のものをダウンロードできます。

こちらのチラシをダウンロードして、必要な言語のQRコードを読み込み、パンフレット・リーフレットをダウンロードすることもできます。

(画像をクリックするとPDFファイルをダウンロードできます)



日本語教育推進関係者会議

 ブログの更新が滞ってしまっていました…💦
 久しぶりのアップです。
 6月に日本語教育推進法が可決されましたが、その具体的な基本方針を検討する会議が設置されています。
 ともいきシンポにご登壇いただいた田尻英三先生も、会議のメンバーに入っていらっしゃいます。
 日本語教育推進会議は関係省庁で構成されていますが、関係者会議には日本語教育及び推進法に関わる領域の専門家が入っています。具体的な提案などが行われていくことになると思いますので、関係者会議に注目していきたいところです。

 日本語教育推進関係者会議(第1回)議事次第
(配付資料や参考資料がアップされています。)