NPO法人ともに生きる街ふくおかの会: 本の紹介(2019.03)

2019年3月16日土曜日

本の紹介(2019.03)

 久しぶりに本の紹介です。
 今回は子ども向け(小学生から中高生)のものですが、大人が読んでももちろん面白いものです。

スペンドリニ・カクチ(2017)『私、日本に住んでいます』岩波ジュニア新書
 スリランカ出身の著者が、日本に暮らす外国につながる人々にインタビューしたものをまとめたものです。12本のインタビューの中には、子ども時代を語っていたり、自分のルーツをどう大切に思い、そして日本のことをどう捉えているか、といった語りも出てきます。難民問題は遠くに感じるかもしれませんが、難民として日本で生きる人の声も載っています。
 1本1本が短く、読みやすくまとめられているので、是非手に取ってみてください。



瀧井宏臣(2018)『モスクへおいでよ』小峰書店
 東京ジャーミーをご存じですか。東京に古くからあるモスクです。その広報を担当する日本人ムスリム下山茂さんへのインタビューをもとに書かれたものです。
 下山さんがなぜムスリムになったのか、ジャーナリストとしての経験なども交え、イスラームについてわかりやすく解説されています。
 これもあっという間に読めるので、是非!



今泉みね子(2018)『ようこそ、難民!―100万人の難民がやってきたドイツで起こったこと』合同出版
 多くの難民を受け入れるヨーロッパの国ドイツ。難民の子どもと出会った男の子マックスが、彼の生活のなかで難民のこと、戦争のこと、家族の歴史、難民家族と知り合う一般家庭の様子を描いていきます。
 物語ではありますが、実際にドイツで一般に起きていることをとてもわかりやすく描いているものです。受け入れた難民の数、難民を受け入れた事実はメディアで知ることができますが、ではそうした難民受け入れに市民がどう向き合ったのか、ドイツ在住の著者だからこそ、市民の視点から伝えています。



マイケル・ローゼン、アンネマリー・ヤング著、小島亜佳莉訳(2018)『移民や難民ってだれのこと?』(国際化時代に生きるためのQ&A ①)創元社
 イギリスに暮らす著者たちが、子ども向けにわかりやすく移民や難民について説明したものです。リアルタイムの難民の話もそうですが、第二次世界大戦時のユダヤ人迫害や黒人差別の歴史、戦後の移民労働者の話なども含まれています。
 今暮らしている国、自分のルーツがある国、そしてそれらの文化やことばをどう捉えているのか、といったことも述べられています。
 短い人物紹介も多々含まれています。たとえば、トルコにルーツを持つメスト・エジル選手(ドイツ)、ソマリア出身の長距離陸上選手モハメド・ファラー選手(イギリス)など、スポーツが好きな方ならご存じの選手も出てきます。
 ヨーロッパの移民・難民に関心がある方は是非読んでみてください。



 今日は東区の多文化共生のまちづくり講座2回目です!
 そして、明日は3月の例会と続きます。
 これらの本、明日の例会でも紹介したいと思っています!